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奇忌怪会blog

東北芸術工科大学のホラー研究サークル(非公式)の「奇忌怪会」のブログです。 こちらではメンバーの雑記。ホラーゲームレビュー。取材のレビュー。などを更新していきます

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田宮稲荷(通称:お岩稲荷)



おはようございます。広報のヒューガです。
今回、私は「東海道四谷怪談」でおなじみの「お岩様」にまつわるスポットを行って参りました。

「四谷怪談」は市川團十郎が田宮伊右衛門を演じる鶴屋南北作の歌舞伎や葛飾北斎の浮世絵など、怪談と言えば「お岩様」というくらいに有名ですが話のあらすじはもちろんわかりますよね?

ざっくりと話しますと、


 四谷に住んでいる田宮家の一人娘の「お岩」という女性は自分の顔と性格に難があり、お婿さんがなかなか来てくれませんでした。

そこで一人娘を何とか結婚させてやりたいという思いがあった、お岩の父「左衛門」はそのことを仲が良かった「喜兵衛」という男に相談しました。

そしたら、「ちょうどいい独り身の男がいるから、そいつを騙して結婚させてやるよ!おれとお前さんの仲だ、俺が一肌脱いでやる」と言って、何も知らずに結婚させられた男が浪人(いわゆるニート)やってた「伊右衛門」さん。

「伊右衛門」は騙されて田宮家に婿として入ってきましたから、仕事はもらえるようになりましたがお岩があんまり好きじゃないので、上司の妾に浮気をしてしまいます。

そんで、その浮気相手を妊娠させた「喜兵衛」はちょうど浮気相手に惚れてた「伊右衛門」に子どもを押し付けようとして「お前ら一緒になっちゃえよ。田宮の岩ちゃんは俺が説得させるからお前も手伝え」と言って、お岩を騙して伊右衛門と別れさせます。

しかし、メンヘラのお岩様。騙されたことを知って怒り狂い、失踪。

その後、田宮家周辺で怪奇現象が起こるようになり「お岩の呪い」という伝説になったのでした。



とまあ、これが鶴屋南北が書いた、歌舞伎の「東海道四谷怪談」の元となる「四谷雑談集」のあらすじです。
こちらは江戸後期のお話。


元々は


「お岩」と「伊右衛門」は仲睦まじい夫婦でしたが、貧乏だったのでお岩も働きに出てました。
そのお岩は「田宮神社」に毎日通い「貧乏だけど幸せな生活が続きますように」と祈っていたおかげで二人の生活は向上しました。
その後、その噂を聞いた地元住民も田宮神社に通いだし祈願するようになりました


っていうのが田宮神社の本来のお話。
こちらは江戸初期のお話。

つまり、お岩さんが死んで200年後。まだまだ盛んな田宮神社(お岩さん)の人気にあやかろうと鶴屋南北が他にあった事件を付け足して歌舞伎を作った結果、大成功したわけです。

「お岩さん」には怨霊と思われがちですが、怨みなど全くない健気で素敵な女性だったんですね。


もちろん、歌舞伎で演じるときにお詣りしないと不幸が起こる。なんてものは後付けです。
原因はステージが暗いし、吊るしてある舞台道具もあるので事故が多いというだけ。
それに関連して、

中央区新川にも「お岩稲荷」はあるのですが、四谷にある方が本家です。
狂言、四谷怪談を演じるときにこの「お岩稲荷」にお詣りしないとよくないことが起きるというジンクスの為に「いちいち四谷まで行ってられねーから、芝居小屋に近い所にもう一個作るべ」と市川右団次が言ったので四谷左門町にあった神社が焼失したのをきっかけに新川に移して、それが幾月か過ぎて四谷左門町の方を立て直した結果、中央区新川と四谷左門町の二つにあるというわけです。
いやぁ、めんどくさいからって近くに神社を作ったり、灰皿でお酒飲ませたりと、歌舞伎の市川家は粋ですねぇ




そんな背景をふまえつつ、さっそく取材レポートと参りましょう!
こちらの写真が四谷左門町にある「田宮稲荷」こと「お岩稲荷」です。



閑静な住宅街のなかにぽつんとあって、この場所だけ江戸時代の雰囲気を切り取ったかのような佇まい。
さっそく、鳥居をくぐり奥に行きますと、このような物が賽銭箱の近くに置かれていました。



えー、なになに?


お言葉(お守)をどうぞ
 御参拝、御祈願なさった記念に今の気持ちに合う札を一枚選んでお持ち帰り下さい。
 折って結構です。財布や定期入れなどに入れ、身に着けて下さい。
 また、こちらへお出で折は、その気持ちに合う札をお選び下さい。
 前の札は日記(ノート)などに貼付し、何枚も並べると、あなたの心の移り変わりがたどれます。
於岩稲荷田宮神社」




ほ~、そんなものをくれるのか~。と思って箱の中を見ると雑に切られた紙切れが一枚だけ。
となりの印刷物(コピー)をどうぞ!!の箱には何も入っていませんでした。
因みに最後の一枚だった「お言葉」には
『煩悩をば 美しく昇華させる』
と書かれていました。
最後の一枚だったので何か運命的な物を感じます。実際、私は煩悩だらけですからね……

そんな一枚の紙切れに深く考えさせられつつ、また周囲を見渡すと反対側にこんなものがありました。



御祈祷願札という、名前、年齢、住所と願い事を書いて賽銭箱に入れる紙が入っていました。
せっかく来たので私も「奇忌怪会が成功しますように」と書いて5円と共に御祈願してきました。
なにをどうしたら成功なのかよくわかりませんがね。


ともあれ、お岩さんのルーツが知れてとても楽しかったです。
この訪問した時には私も「なんで怨霊であるお岩さんが願いをかなえてくれるんだ?」と不思議に思っていましたがこの記事を書くときに色々と調べまして、上記のことが判明したときはとても納得しました。

17時以降には閉まってしまっていた、田宮神社のすぐ向かいにある陽運寺にも、どうやらお岩さんに縁があるお寺らしいので今度また取材に行く時に訪問したいです。
あと、新川の方のお岩稲荷もぜひ行きたいですね。

以上、田宮神社レポートでした!
次はお岩さんのお墓がある「妙行寺」についてレポートします。お楽しみに!

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